昨年、当社の銀行口座を近所の支店に移しました。同じ銀行内の口座移動ですし、通常は全く問題は起こりません・・・が、運悪く、支店を変更した後、何度も変なことが起こり、困り果ててしまいました。
事の始まりは昨年6月。支店を変更した翌月に、『銀行の手数料』と称して、いつもの手数料とは違う金額が上乗せで天引きされていました。それだけでなく、聞いたこともないミュチュエル(補足医療保険)により、当社の銀行口座からお金が引き出されていたのです!
慌てた私はすぐにお客様センターに電話をし、「当社の口座から不当にお金が引き出されています」と伝えたところ、「あなたが引き落としの許可をしたから引き落とされたんでしょう。この引き落としを拒否しますか?その場合は手数料がかかりますけどね」と言われてしまいました。
「私は何の間違いを起こしていないのに手数料を支払うなんて冗談じゃない」と思い、お客様センターとの電話は切り、今度は銀行の担当者に連絡をしました。するとその担当者は「これはおかしいですね」と、すぐに手数料なしで(私の非ではないので当然ですが)払い戻しをしてくれました。
しかしながら、こんな風に意味不明のお金の引き出しがあるのは非常に迷惑ですし、当社の会計士に対して、何が起こったのかの説明書類を用意しなければなりません。そこで何度も銀行の担当者に報告を求めたのですが、彼女は一切の説明を拒否。結局、何が原因でこのようなことが起こったのかわからないまま、時が流れました。
腑に落ちなかったものの、トラブル自体も忘れかけていた昨年10月、3度目の問題が起こったのです。
6月に当社の口座から勝手にお金を引き落としたミュチュエル(補足医療保険)が、今度はお金を振りこんできたのです。
今回もうやむやに放置してしまうと、恐らく同じ問題がこれからも繰り返されるに違いないと思い、まずは銀行の担当者にメールを送ったのですが、何度送信しても音沙汰がありません。不審に思って電話してみたところ、何と彼女は退社したとのこと。全く連絡も来ていなかったので、知りませんでした。
新しい担当者と電話が繋がり、これまでの事情を説明すると彼女も「そんなおかしな話、聞いたことない!」と驚いている様子。でもだからといって、さっさと動く訳ではないところは、さすがフランス人です。「研修で留守にする」だとか「もうすぐ年末だから時間がなかなか取れない」などと色々な言い訳をされ、問題は解決しないまま2019年に突入してしまいました。
仕方がないので「週末までにお返事をいただけないのでしたら、貴社本部の苦情センターに報告しますよ」と少々脅しをかけたところ、やっと動き始めてくれました。そこで分かったことは次の通りです。
- 銀行の担当者の入力間違いにより、昨年6月に銀行からの手数料が上乗せ徴収されてしまった。その担当者は自分の責任だったことを私に隠したいが為、全く報告をせず、私としては銀行に対する不信感が強まった。
- 今回問題を起こしたミュチュエル(補足医療保険)は、自社の新規顧客の銀行口座をデータベースに入力する際に、コードを間違え、当社(PARIS FP)の銀行口座を誤って登録してしまった。銀行とそのミュチュエルの間には「顧客の特別な許可がなくても、保険料の引き落としができる」という契約があり(←これにはかなり驚きました)、私が全く許可していないにも関わらず、勝手に当社の銀行口座から保険料が天引きされてしまった。
- 退職した銀行の担当者は、6月に、ミスが発覚した際に、ミュチュエルに問題発生の報告をしていなかった。そのせいで、当社の銀行口座は相変わらずそのミュチュエルのデータベースに登録されたままとなっており、それが原因で10月にも当社の口座が無断で使用されてしまった。
本当にとんでもない話ですよね。
私が強く要求したら、ミュチュエル側からも「ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。ミスは訂正しましたので、今後、同じ問題の再発は起こりません」という謝罪証拠メールも送ってもらえたので、これでようやく一件落着となりました。
万が一、私がこのような間違いをしてしまったとしたら、それこそ真っ青になってお客様に平謝りすることでしょう。フランスでは、そうはならないんですよね。問題発生後、顧客である私からクレームが来たにも関わらず、こんなに長い期間放置して、しかもこちらから強要しないと謝罪もしない、という、まぁ何とも言えず、フランスのサービスのダーク・サイドを改めて感じましたね~。取りあえず『終わりよければすべてよし』ということで、忘れることにします(苦笑)