昨日、INSEEより2018年第4四半期の失業率が発表されました。8.8%と相変わらず高い失業率ではありますが、これは2009年以来の低水準です。2018年第3四半期と比べると0.3ポイントも下がりました。フランス本土における昨年末の失業者数は250万人で、これは3ヵ月前と比べると9万人も少ない人数です。
15歳から64歳の就労者が増加し、就労割合は66.1%にまで達しています。ここまでの高い割合に到達したのは1980年以来の出来事です。
またCDI(無期限雇用契約)の割合もこの1年で0.4ポイント上昇し、フルタイム労働者の割合も54.4%にまで上りました。単に労働者数が増えているだけでなく、質の上でも労働市場が改善しているのです。
フランス政府は「まさにマクロン政権の政策が功を奏しているのだ」と大喜びです。
しかしながら、今回 、発表された統計には、よくない数字もありました。
INSEEの数値は「仕事を積極的に探している人」を元に統計を取っています。「仕事は欲しいけれど、何らかの理由で積極的に職探しをしていない人」はINSEEの統計上、失業者とみなされません。この「仕事は欲しいけれど、職探しをしていない人」の人数は、前四半期と比べ3万2千人増の150万人にも上るのです。
とは言え、ずっと同じ計算方法で算出されている失業率が、久しぶりに9%台を割った、というのは、間違いなくグッドニュースです。2019年第一四半期もこのまま失業率が下がったら、国民の不満も多少解消されるかもしれませんね。