フランスの小学校は先週末から夏休みに入りました。9月からの新学期スタートのお稽古ごとの登録で、どのうちの親も学年末は大忙しでした。私も今回は最後の最後までヤキモキしました。
うちの娘が随分前からアーティスティック・スイミング(以前はシンクロと呼ばれていましたね)を習いたがっていたので、6月半ばに申し込みをしたのですが、これが想像以上に難関でした。
そもそもパリ市内でフランス水泳連盟(FFN)に登録しているアーティスティック・スイミングのスクールは僅か4校のみ。入校レベル分けテストで集まった生徒の中には、郊外から片道1時間以上かけてやって来た人もいました。
アーティスティックではない、普通のスイミング・スクールのレベル分けテストは一人当たり数分で終わりますが、うちの娘が今回受けたテストは丸々1時間半かかりました。まずは30分くらい、体操と柔軟のチェックです。開脚がどのくらいできるか、ヨガで言うところの『ロウソクのポーズ』ができるか、などを先生が一人ずつ見ていきます。その後はいよいよプールへ!
クロール、平泳ぎ、背泳ぎの確認はもちろん、「立ち泳ぎで数秒、同じ場所にとどまっていられるか」、「水中眼鏡なしで深いところに潜りプールの底にあるものを取れるか」など、いかにもシンクロらしいテストも沢山あります。
子供達がこのようなテストを行なっている間、スクールの会長から入学希望者の親に対して説明がありました。開口一番「本日のテストを受けた子供達、全員を受け入れることはできません。来週、同じ時間帯にもテストがありますが、今日より、もっと大勢の受験者が来る予定です。」と厳しいお言葉。さらに「スクール内部の子の登録更新が優先ですので、皆さんに合否をお知らせするのは7月に入ってからになります」と言うではありませんか!7月なんて、いいお稽古事はほとんど全て満席になっているので、「シンクロがダメだったら、一体うちの子はどうすればいいの?」と私を含め会場にいる親全員が絶望的な表情を浮かべていました。しかも最後のダメ押しとして、今回のテストで受からなかった時にするべきことのアドバイスまでされる始末。
このブログをご覧いただいている方の中に、パリで子供をアーティスティック・スイミングに入れたいとお考えの方が果たしていらっしゃるのかどうかは謎ですが(メジャーなスポーツではありませんので・・・)、ご参考までに、スクールに入るためにしておいた方がいいと思われることを書き出してみました。あくまでもうちの子供のスクールについてですが、パリの他のクラブのサイトを見た限りでは、似たような印象を受けました。
- アーティスティック・スイミングの入学テストは小1(CP)か小2(CE1)の6月までには受けた方がいい。10歳を超えてしまうと「シンクロを今から始めるには遅すぎる年齢」とみなされてしまう。
- 入学テストを受ける前の1~2年間は、フランス水泳連盟(FFN)に加入しているスイミング・スクールに通い、クロール・平泳ぎ・背泳ぎはきちんと泳げるようにしておく。
- フランス水泳連盟認定の共通レベルテストである«Pass’sports de l’eau»を取得しておく。うちの子が通っていたスクールはFFNに加入しているにも関わらず、このテストを生徒たちに受けさせていなかったので、先生にお願いして「«Pass’sports de l’eau»相応のレベルに十分に達しています」という推薦状を書いてもらった。
- アーティスティック・スイミングを始める前に、水泳の他に、体操、またはダンスなども数年間、習っておく。
- FFNの« Pass’sports de l’eau»のシンクロ版をYouTubeでチェックし、このような動きを練習しておく。(完璧ではなくても全然OK)
そして私が知らなかった裏技として、
- アーティスティック・スイミングのスクールが行っているビギナー用の通常のスイミング・レッスンに幼稚園か小1で通い始め、その後、スクール内部でシンクロのクラスに進む。
という方法があります。「このことを最初から知っていたら、去年からこのスクールを受けていたのに!」と思いました。一般的に『近所のスイミング・スクールで、ある程度泳げるようになってから、アーティスティックのスクールに行く』というパターンがほとんどなので、シンクロのクラブ内の初心者用スイミング・レッスンは受講希望者が少なく、比較的簡単に入学できるそうです。しかもその後、内部からの進級ということで、優先的にシンクロのクラスに進むことができるので、非常にお勧めなやり方です。
上記、最後の『裏技』以外、全てをやったうちの娘の元には、先週、めでたく合格通知が来ました。「7月に入ってから不合格通知を渡されたりしたら、一体どうなっていたんだろう」と想像すると怖いものがありますが、取りあえず無事一件落着で安心しました!