来年初めに、当社は設立10周年記念日を迎えます。日本で生まれ育った私が、パリで起業し、10周年を迎える日が来るなんて、人生とは不思議なものです。
自己紹介も兼ねながら、このブログ内で、時々、現在に至るまでの経緯を振り返りながらお伝えさせていただきたいと思います。今回は私が新卒後、最初に勤めた会社である住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)に入社した当時のお話です。
私は上智大学経済学部卒業後、総合職ではなく事務職として働き始めました。
実は総合職としても某銀行で内定をいただいていたのですが、考えるところがあり、あえて事務職を選んだのです。
その理由とは、次の2つです。
(1) 銀行の総合職としてどっぷり長時間勤務をすることができるのか、また、そうしたいのかが、当時の私には分かりかねていた。事務職で入社すれば、もしその職場が自分に向いていなければ、勤務時間後、スクールに通いスキルアップをする時間も取れる。反対に、もし会社が非常に気に入ったのであれば、事務職から総合職への転換を試みることができる。
(2) 当時、日本の銀行で総合職として入社後、トレーディング・ルームで働くためには、まず最初の数年は支店で修行を積み、その後、希望を出し、その希望が通れば、ようやく社内移動が認められていた。事務職ならば、新卒でトレーディング・ルームに入ることが可能。私はすぐにトレーディング・ルームで働き始めたかった。
今考えると、事務職で入ったからといって、トレーディング・ルームに配属してもらえるかどうかなど全く分かりませんから、賭けもいいとこだな、と思いますが、若気の至りと言いますか、当時はそのまま突っ走ってしまいました。
配属を決めるための人事部との面接のことは、今でもはっきり覚えています。
人事 「あなたは証券運用部が希望なのですね。」
私 「はい。」
人事 「あなたの自宅は横浜なので、一番近いのは横浜支店ですよね。」
私 「いいえ。横浜支店は駅から非常に遠いので、大手町にある証券運用部とほぼ同じ通勤時間になります。」
人事 「・・・・・」
あの時の人事の方の困ったような表情といったら・・・(笑)
「とんでもない新人が来た」と思ったかもしれませんね。でも希望通り、証券運用部に配属していただき、本当に感謝しています。
当時の住友信託銀行証券運用部での思い出は、こちらの記事に続きます。