フランスは確定申告制なので、会社員も自営業者も皆、今の季節に前年度の所得を申告します。そして夏以降に、税務署から「あなたの2016年度の所得はXXでしたので、所得税額は○○です」という納税通知書が届き、前年度の所得に対する税金を今年、精算することになります。
ところが間もなく、この方式が変わることが予定されています。オランド前政権が『ある年度の所得に対する所得税を、次の年に精算する』という現行の制度から、『給与などを受け取る時点で、所得税を天引きする』という源泉徴収制度を2018年1月1日からスタートさせるよう、法改正を行ったからです。
という訳で「来年から源泉徴収が始まる」ということを前提に、私もお客様方にアドバイスをしてきました・・・が!マクロン新大統領により、もしかするとこの計画はお流れになるかもしれません。
マクロン大統領は選挙前から、源泉徴収方式の開始を延期する可能性について言及していました。そして5月7日に勝利が決まると、まだ就任前にも関わらず、マクロン大統領が立ち上げた政党の報道官が「6月に企業や労働組合たちとこの件に関するヒアリングをして、その結果により判断を下す」と言い始め、そして昨日はついにマクロン政権の行動・公会計大臣が「ヒアリングによっては、源泉徴収計画を中止にすることもあり得る」とCNews(フランスのニュースチャンネル)のTVインタビューで述べました。
6月のヒアリングによりますが、この調子ですと、源泉徴収が来年からスタートする、ということは、まずなさそうな雰囲気です。フランスでは政権が変わると、それはそれはすごい勢いで新政策が導入されたり、過去の政権の元に発効された法律に改正が入ったりします。政権交代後は、気合いを入れてニュースをチェックしないと仕事に支障が出るので大変なんですよね~。でも毎度のことなのでもう慣れました(笑)。今後数か月はいつもに輪をかけて忙しくなりそうですが、頑張ります!