フランスでは利子所得に対して、所得税だけでなく、社会保障費負担というものも課せられてしまいます。1996年に導入された当初は僅か0.5%だったこの社会保障費負担ですが、あれよあれよと言う間に増額し、今では15.5%!せっかく利息が手に入っても、そこから【所得税率+15.5%】が取られてしまう訳ですから、フランス人たちが必死で節税したがるのも無理ありませんね。
そこで大人気を博しているのが、利息に税金も社会保障費負担も全く課せられない『非課税Livret』と呼ばれる預金口座です。非課税Livretには4種類あり、その代表格がLivret Aです。いつの時代もインフレを僅かに上回る程度の金利しか付きませんが、『非課税』という理由だけで多くの消費者を惹きつけている口座です。
ところが7月9日に週刊誌 « Journal du dimanche » が「政府はLivret Aへの課税を検討している」と報道。他のメディアも一斉にこの記事を取り上げましたが、政府は即日、この噂を否定しました。単なるデマだったのか、火のないところに・・・なのかは分かりませんが、いずれにせよ直近ではLivret Aは非課税のままのようです。
とは言えLivret Aの金利は非常に低く、先週、政府が「8月1日からもLivret Aの金利は、現状と変わらず0.75%に据え置きする」と発表したばかりです。ちなみにINSEEによりますと先月のフランスのインフレ率は0.70%でした。非課税なのは結構ですが、Livret Aで資産形成をすることは不可能ですので、入金するのはあくまでも『万が一のためのお金だけ』にしておくのが無難でしょう。