「どうやって留学資金を貯めるか?」ということは、自費留学を志す方の最大の悩み事ではないでしょうか?今回のコラムでは、留学資金準備計画の第1番目のステップである『予算の立て方』について考えてみました。
大まかな予算を立てる
「留学を実現するためにお金を貯めよう!」と決めてから、まず最初にするべきことは予算作成です。留学にかかる主な費用を項目ごとに書き出すと、次のようになります。
– 授業料
– 家賃
– 生活費
– 旅行・趣味など
– 航空券
– 海外留学保険料
一つ一つ、予算の立て方を見てみましょう。
・授業料 ——– 授業料は予算の中で非常に大きな割合を占めます。自費留学の場合、高額な学費は多大な負担となりますが、それでも留学先の学校は授業料で選ぶのではなく、あくまでも自分が行きたい学校を選ぶことが成功する留学の秘訣だと思います。希望する学校の授業料が自分の予算を大幅に上回る、という場合は、学校を変更するのではなく、留学の時期を1年(場合によってはそれ以上)遅らせて、目標の金額をしっかり貯めるよう努力した方が、人生において悔いのない留学となることでしょう。自己資金では無理でも、奨学金制度や留学ローンを利用することにより、留学を実現できることもありますので、融資に関する調査をしっかりすることも非常に大切です。
・家賃 ——– どのような都市、地区で暮らしたいのかにより、家賃は大きく変わってきます。「もしこの地区でこの位の広さの物件を借りるとしたら、家賃はどの位になるのだろう?」ということを知るためには、賃貸・売買の大手検索サイトであるselogerが非常に参考になります。また、オブニーなど日本語フリーペーパーの広告を見て、大まかな概算値を掴むことも可能です。
・生活費 ——– この項目は、まさに十人十色なので非常に難しいところですが、雑誌やネット、あるいは留学カウンセラーに聞くなどして、自分と似たようなライフ・スタイルを持つ人たちの留学費用を参考にされるといいでしょう。
・趣味・旅行など ——– もちろん留学の第一の目的は勉強ですが、せっかく海外で暮らすのですから美術館巡りや近辺諸国への旅行も楽しみたいところです。ぎりぎりの予算を立てるのではなく、このようなゆとりも加味しておくことにより、より現実的な予算を立てることができます。
・航空券 ——- ハイシーズンとローシーズンでは、航空券の料金は大きく違います。大学留学やMBA留学の場合は、授業の開始日が予め決められていますので、出発の季節を変更することは難しいですが、例えば語学留学の場合、出発時期をずらすことにより、予算を低く抑えることが可能になります。更に、直行便ではなく、経由便にして節約するというパターンもあります。
・海外留学保険料 ——– 留学中、病気も怪我も一切しなければそれに越したことはありませんが、留学中の安心を買う、という意味でも海外留学保険にはぜひ加入しておくことをお勧めします。留学保険は現地では加入できませんので、出発前に契約を結ぶことになります。インターネットで多くの海外旅行保険会社の契約が紹介されていますので、保険料と保証内容を検討してお選びになるといいでしょう。
留学資金を貯める=外貨を準備する
仮に一年間パリでの語学留学をするために、下記のような予算を立てたとします。
ご覧のように、予算の大部分がユーロ建てなのです。つまりパリ留学資金準備をするということは、ユーロを準備する、ということに当たります。留学資金を貯める=外貨を準備する、という公式を心に留めておかないと、せっかく立てた予算もあまり意味がなくなってしまう可能性があります。
具体的に例を挙げてみましょう。上記の予算を現在の為替レート(1ユーロ=113円)、1年前のレート(1ユーロ=138円)、2年前のレート(1ユーロ=165円)を使って、先程の予算を日本円に換算してみると次のようになります。
2年前の為替レートと今の為替レートでは、日本円換算すると何と141万円もの違いが出てしまいます。留学を決意し、綿密に予算を作成しても、それを現在の為替レートで日本円換算し、「留学資金として336万円を用意すればいいんだな」などと思ってはいけません!その後、為替が大きく動き円安に動いてしまったら、336万円では全く足りなくなってしまうからです。上記の例では、1年間の留学資金として、『27 200ユーロ+29万円を用意する』というのが正しい出発点になります。
仲介業者により留学の手配をしてもらう場合は、全ての料金を日本円で支払うことになりますが、自分自身で手続きを行う場合は、このように二つの通貨での留学資金を準備することになります。つまり留学のお金を貯めるということは、外貨投資を始めるとも言えるのです。
留学計画を立てる場合、最初に目標の数値を明確にすることが非常に大切です。まずは心に描いている留学生活を元に予算を立ててみましょう。予算を作成すると目標の金額が明確になり、貯蓄に対する意欲も沸いてくると思います。「留学したい」という気持ちはあるけれど、何をどこから始めていいのか、自分にできるのかも分からない、という方は、ぜひ予算作成から始めてみましょう。予算を立てたら、今現在の手持ちの資金からその目標値までたどり着けるように、即実行開始するのみです!
最後にワンポイント・アドバイスをさせていただきますと、留学カウンセラーやFPに、留学にかかるお金のご相談をされる方も多くいらっしゃると思いますが、その際にはぜひ、自らも自費留学を行ったことがある経験者に相談されることをお勧めします。きっと留学資金準備に関わるちょっとしたコツなども教えてもらえると思いますよ!PARIS FPは留学をお考えの皆様を心より応援しております。