本日のブログでは、私がその昔、住友信託銀行の証券運用部で過ごした新人時代の思い出を書きたいと思います。先日書きましたこちらのブログ記事の続きとなります。
薄いピンクのベストとスカート、そしてブラウスは少しだけシースルーの花柄模様の制服を着て、新人の私は憧れのトレーディング・ルームで働き始めました。お茶汲みや机拭きもしましたよ~。オフィスの清掃は外注していたのに、「新人が机拭きをする」という伝統があったのです。私が入社した翌年からは景気が悪くなり、新人が1人も入ってこなくなってしまったので、2年目からは私が勝手にこの伝統を止めてしまいました(笑)
私は当初、日本株・CB(転換社債)デスクのトレーダー達のアシスタントとして配属されました。トレーダーは全員男性で皆さん、とても優しかったです。その中の1人はアシスタントの私たちに対して、よく教育してくれました。
ある日、私が『経過利息』が何なのか分かっていないことが判明した時、その人は「将来、三枝さんが結婚退職して、子育てがひと段落してパートに出るとするでしょ?その時、『昔、証券運用部で働いていました』って言ったら、それなりに価値があるんだよ。でも経過利息も知らないようじゃ、『何だ全然分かってないんじゃないか』って思われちゃうよ」と言って、その後、詳しく説明してくれたりしました。彼の発言は今だったら恐らくセクハラ発言として問題視されそうですが(笑)、何はともあれ色々教えてもらえたのは有り難かったです。
マクロの組み方もその人から教わりました。エクセルで簡単にマクロを組める現代と違い、当時は「マクロを組む=プログラム言語を一つ一つ手で入力していく」ということだったんです。今の若い人たちが当時の様子を見たら、PCもソフトも古くてびっくりしそう・・・。
職場には総合職として働く女性も2人だけいました。今は分かりませんが、当時の日本の銀行のトレーディング・ルームは超男社会でしたので、大昔の若かりし頃の私は総合職の彼女達に対して、「私もあぁなりたい」というよりは「なんかやたら大変そうだな」という印象を受けていました。
そのために、入社前にチラッと考えていた「数年、事務職として働いた後は総合職に転換する」というアイデアは入社1週間で消え失せました。だからと言って当時、すぐにやる気をなくした訳ではありません。入社とほぼ同時に、エレベーターで私の人生の転機となる出会い(恋愛の出会いではなかった!)があったからなのです。思い返すと、今、私がフランスで暮らし、こうして働いているのも、新卒時に住友信託銀行証券運用部に配属され、あのエレベーターに毎日乗っていたからだ、としみじみ思います。エレベーターでどんな出会いがあったかについては、こちらの記事に続きます。