私はフランスでは金融投資アドバイザー(Conseiller en Investissements Financiers、略してCIF)、日本ではファイナンシャル・プランナーCFPの資格を保有しています。
どちらも「資格を取得したら、それでおしまい」という訳にはいかず、永遠に継続研修を受け続けないと資格を失う仕組みになっています。最新の情報に基づいた的確なアドバイスをお客様にお渡しできるよう、このようなきまりが導入されているのですが、これがなかなか大変です。
幸い日本では通信教育が豊富なので、在仏の私でも空いた時間にまとめて受講することができます。ところが私が在籍する、フランス金融市場庁公認の独立系アドバイザー協会(La Compagnie des CGPI)では、2年ごとに60時間研修が義務化されており、基本的には通信教育は認めてもらえないため、実際に会場に出向かなければなりません。しかも例え丸一日、7時間のコースを受けたとしても、「継続研修時間として認められるのは3時間分のみ」といったケースも多々あり、実質的には2年ごとに100時間以上は時間を費やしていると思います。
とは言え、この話をお客様にすると必ず「三枝さんにとっては大変でしょうけど、私たち顧客側から考えると本当に安心できる話ですね」というお返事が返ってきます。例えば日仏両国にまたがる年金計画や生前贈与に関するご説明は、私が両国の仕組みを理解していなければ決してできない業務です。しかも法律や制度は時と共に変わりますし、特に政権交代と共に素早い税制改革が進むフランスにおいて、知識のアップデートは私のような職業に就く者にとって必要不可欠です。つまり継続研修は、まさに顧客の利益に繋がるのですね。
2016年度はフランスで39時間分の受講が私の登録する協会より認められ、日本のCFPに関しても必要な取得単位数を満たし、つい数日前、資格更新手続きが終了しました。
時間も労力も大いにかかる継続研修ではありますが、お客様に対して、より質の高いサービスを提供できるようになりますので、これからも頑張っていきたいと思います。