今度の日曜日、6月11日にフランス国民議会選挙の第1回投票が行われます。調査会社ELABEが今日公表した直近の世論調査によりますと、次のような得票率が予想されています。ご参考までに、この春の大統領選に参加した候補者たちが、どの政党に所属しているかをカッコ内に示しました。

共和国前進(マクロン大統領)とその連携政党であるモデム: 29%
共和党・連帯政党(フィヨン氏): 23%
国民戦線(ルペン氏): 17%
急進左派「屈しないフランス」(メランション氏) : 11%
社会党(アモン氏) : 9%

ここで、大統領選第1回投票の結果を改めて見てみましょう。4月23日から現在にかけて、どの政党が追い上げ、どの政党が支持率を失ったのかが、はっきりと分かります。

マクロン氏 : 24.01%
ルペン氏 : 21.30%
フィヨン氏 : 20.01%
メランション氏 : 19.58%
アモン氏 : 6.36%

マリーヌ・ルペン氏率いる国民戦線(FN)の人気低下が目立ちますね。それもそのはず、大統領選後、FNは内部分裂が目立ち、以前の勢いを失いつつあるのです。一番大きい理由はルペンが大統領選で敗れた2日後、次期党首と考えられていたマリオン・マレシャル=ルペン(マリーヌの姪)が政界から身を引くことを明らかにしたことでしょう。マリオンはFNの中でかなり人気が高かったので、国民議会選挙前のタイミングで彼女が引退したことは、同政党への痛手となります。それ以外でも、ユーロ離脱を望まないFN党員が多いため党内分裂が起こっていることも、先月はメディアで大きく取り上げられていました。

急進左派も元気がなくなりました。大統領選では目覚ましい躍進を見せたメランション氏でしたが、第1回投票で敗退して以来、どうも迷走気味で徐々に人気が薄れてきたようです。

どの世論調査を見ても結果はほぼ上記と同様で、マクロン大統領の政党が国民議会の過半数の議席を獲得することは、ほぼ間違いないと言われています。「マクロン大統領にチャンスを与えようじゃないか」と考えるフランス人たちが多いようです。

つい1ヵ月前は、誕生したばかりの政党が議会で過半数を占めることなど、信じられないような気分でしたが、どうやら不可能が可能になりそうな予感です。議会で過半数を獲得できれば、マクロン大統領の改革は実現に向けて大きく前進することでしょう。選挙後の改革に大いに期待したいところです。