年金改革案の大筋が明らかになりました。この半年、マクロン政権は様々な労働組合との話し合いを重ね、ようやく先週、その概要が決まりました。労働組合側は、改革案に合意できない部分も多々あるようですが、「半年にわたり意見を交換した上で政府が方針を固めた」ということに対しては、満足しているようです。
現在、フランスでは雇用形態や職種により年金機関が細かく分かれており、その数はなんと42にも上ります。機関ごとに年金額の計算方法も異なり、非常に分かり難い複雑な仕組みになっているのですが、今回の年金改革により、42の年金機関が一つのシステムに置き換わるそうです。大胆な計画ですね。
新システムにおいて、会社員と公務員は、同じ給与の人なら、年金保険料も受給額も同じになります。自営業者は保険料の計算方法が異なることになる模様ですが、いずれにせよ、『年金保険料をXユーロ支払った人は、将来Yユーロの老齢年金額もらえる』というXとYの割合が、これからは雇用形態や職種が違っても同一となります。
年金機関が42にも存在するなんて、どう考えても非効率的ですし、「マクロン政権が提案している年金改革は、方向性として非常に正しい」と私は思うのですが、大統領支持率も相変わらず低迷していますし、きっと他の改革と同様、あちこちから反対の声が上がることになるかもしれませんね。