1月は『2019年度の金融見通し』といった、投資アドバイザー向けのイベントが目白押しです。昨年は株、コモディティー、ハイイールド債といったほとんどのアセットにとって厳しいマーケットでしたので、どの会社の会合に行っても、アセット・マネージャー表情はあまり明るくありません。
こうしたイベントでは、通常、まずは経済やマーケット環境の説明があり、その後にファンド・マネージャーが自分が運用するファンドの説明をする、という形を取るのですが、規模の大きい会社の場合、外部講師を招いての研修や、スペシャル・ゲストによるスピーチが入る時もあります。
先日は、フランス中央銀行総裁のクリスチャン・ノワイエ氏の講演を聞くことができました。謙虚でエレガントに話す素敵な白髪の紳士でした。ユーロ導入時には欧州中央銀行の副総裁を務めていたノワイエ氏が、ユーロ誕生から現在に至るまでの分析を語ってくれました。ユーロがアングロサクソンに過少評価されているポイントをいくつか挙げていた時に、『ユーロ圏の人々はこの通貨に愛着を持っており、ユーロを廃止する、などという案は実は全く人気がないことが、アングロサクソンにはあまり理解されていないようだ』と、居住者の感情面を大きく取り上げていたことが印象に残りました。アングロサクソンに限らず、日本語のメディアでも、極右政党やユーロ離脱賛成派の意見を過大評価し、ユーロの価値を過小評価する傾向がありがちですし、やはり現地で暮らしていないと分からない感覚というものは、外国には伝わりにくいのかもしれないなと思いました。
こういった会合で様々な意見やマーケット見解を聞くことは、お客様へアドバイスをする際に非常に役立つので、あちこち移動に時間を取られて大変ではありますが、明日も参加してきます!