フランス経済研究所(OFCE)が先週発表したレポートによりますと、2019年度のフランス人の購買力は平均で850ユーロ、上昇するとの見通しです。850ユーロのうち、440ユーロは昨年末、マクロン大統領が黄色いベスト運動のデモを受けて打ち出した減税措置から来ているそうです。貧富の差が激しいフランスにおいて『平均値』というものがどれだけの意味を持つのかは微妙なところですが、『年850ユーロの購買力アップ』という数値は、2007年以来の大幅上昇です。Les Echos紙に掲載されていた2003年以降の世帯ごとの年間購買力の増減(ユーロ)のグラフをご覧いただきますと、本年度の上昇が、如何に特別なもかがお分かりいただけると思います。

【出典 : INSEEとOFCEの数値を元にLes Ehos紙が作成したグラフ】

ちなみに上記グラフで、サルコジ元大統領が就任直後に様々な景気刺激策を打ち出した2007年も、購買力が大きく上昇していたことが確認できます。

同レポートによりますと、賃金上昇率も昨年度の2%から本年度は2,6%に上昇しそうだ、とのこと。

残念ながらこういうニュースはあまり注目されないんですよね。つい先程、黄色いベスト運動を受け、マクロン大統領が対応策を発表しました。減税や最低年金額の引き上げなど、フランス人の購買力を高めるようなプランを2時間半近くにわたり記者団の前で熱弁していましたが、国民の反応はあまり良くないようです。黄色いベスト運動はまだまだ続きそうです・・・。