毎年9月末にPatrimoniaという金融アドバイザーのための会議が2日間にわたりリヨンで開催されます。参加するためには2泊3日で家を留守にしなければならず、その間の子供たちのお稽古ごとや食事の準備が結構大変です。ですので、リヨンに行くか行かないか迷ったのですが、先週の会合では大切なことを沢山学べて、心から「行ってよかった」と思いました。
本年度4月に可決されたPACTE法により、フランスの私的年金が生まれ変わります。直前まで税制の細部が決まらなかったのですが(というか、未だに決まっていない部分もありますが)、本日10月1日より新しい私的年金PERの販売が解禁になりました。まだ販売側も消費者側も準備が整っていないため、販売開始を今日からではなく、数か月後に設定している金融機関も多々あります。
今回のPatrimoniaでは、この新しい私的年金の税制や賢い使い方を説明する研修が数多く用意されていたので、異なる会社による様々な視点から新商品を分析することができました。私的年金については当社の次回のコラムで詳しくご説明させていただく予定です。
最後の会合では、なんとブリュノ・ル・メール経済・財務大臣のビデオメッセージが流れていました。「本日、みなさんとリヨンでご一緒することができず、残念です。新しい私的年金PERは、フランス人の資産運用・年金準備を変える画期的な商品です。アドバイザーの方々もその仕組みと魅力をぜひ国民の皆様にお伝えください」というような感じの、かなり長く熱いメッセージでした。リヨンの会合には何度も来ていますが、大臣が動画でアドバイザーに話しかける、というのは初めて見ました。どんなにいい改革でも、その意図や使い道が国民にきちんと正しい形で伝わらないと意味がありませんので、こうした政府からの歩み寄りはとても大切ですし、好感が持てました。ブリュノ・ル・メール大臣の熱弁に感化されたから、という訳ではありませんが、この新商品はフランス在住の皆さまにとってAssurance Vieと同様、資産形成において必要不可欠な商品になりそうな予感ですよ。