弊社は来年初めに創業15年を迎えます。独立した当初は様々な金融の会合に参加しても、一人ポツンと寂しい思いをすることもよくありましたが、今はイベントに一人で参加しても、誰かしら知り合いがいることがほとんどですし、たとえ一人も知っている人がいなかったとしても、初対面の同業者と有意義な意見交換をして充実した時間を過ごせるようになりました。
ビジネスの会合では「その人が自分にとって有益な情報をもたらしてくれそうか」というところを見られますので、なかなか厳しいんですよね。「一緒にお話できて楽しかったね。」だけでOKという訳にはいきません。起業したばかりの頃は同業者たちの話を聞いて「へ~、そうなんだ。なるほど、勉強になった」と思うだけでした。今、改めて思い返すとギブ&テイクの『テイク』しかできていなかったのです。
それが起業して10年を経過する頃からでしょうか、ようやく『ギブ』もできるようになってきたことを感じ始めました。ギブ&テイクがうまく機能すると、人間関係が格段に向上するんですよね。今では同業者の会合で出会い、意気投合した何人かのフランス人たちと、お互いに職業上のスキルやモチベーションを高められるような非常にいい関係を築いています。彼らも私も独立しているので、同じ会社の同僚のように毎日会うことはありませんが、時々、丸一日、仕事の話をして一緒に過ごしたり、長いこと会えない時は電話したりと、付かず離れずのちょうどいい距離を保っています。独立はしていても、決して孤立はしていない、というこの働き方が私はとても気に入っています。