いつでも引き出し可能で、しかも利息に税金がかからない、フランス人に大人気のLivret Aという預金口座があります。そのLivret Aの金利が、現在の2%から、2月1日より3%に上がります。Livret Aの金利はフランス政府が決定しますので、どこの金融機関で開設しても同じ金利が適用されます。
さてこの『3%』という数字ですが、額面だけを見ると高い金利のように感じますね。とは言え、INSEE(フランス国立統計経済研究所)が発表した直近の数値によりますと、先月のインフレは前年同月比で+5.9%です。つまりLivret Aの金利はインフレよりもずっと低いため、Livret Aにお金を入れておくと、資産が目減りしてしまうことになるのです。
他の元本保証商品はどうでしょうか?
フランスでの資産形成において必要不可欠なAssurance Vieという商品があります。その口座内で投資できるユーロ・ファンドという元本保証商品は、ひと昔前まで非常に高い金利を出していました。
ユーロ・ファンドの金利は年が明けてから「昨年度の金利は〇%でした」と、各保険会社から発表されます。1月19日現在、まだごく少数の金融機関しか昨年度の金利を発表していないのですが、その少数派の数値を見る限り、「表面金利が2%前後(つまり社会保障費負担の天引き後は2%未満)」という非常にお粗末なレベルとなっているようです。
私たちは今、『元本保証の預貯金類ではインフレ未満の利息しか得ることができない』という時代に突入しています。しかしながらリスク資産に投資すると、中長期には高い利回りを出せるかもしれませんが、短期的に大きく下がることもあります。自分のお金を守るためには、マーケット環境をしっかり確かめながら、各自のリスク許容量や資産状況に合わせて投資をすることがとても大切です。スピーディーに変わりゆく時代の中では『確かな情報を入手し、自分のケースに合わせて柔軟に適応させていく』ということを心掛けていきたいですね。