私の職業である金融投資アドバイザー(フランスではCIFと呼ばれます)は、フランス金融市場庁の管轄下にあります。CIFは金融市場庁が指定する4つのアドバイザー協会のうち、いずれかに所属しなければなりません。私が所属するアドバイザー協会からは、5年ごとに、全てのアドバイザーに対して監査が入ることが義務化されています。

アドバイザー協会では(というか金融市場庁は)、顧客の資産状況やリスク許容量をしっかりと確認しているかについて、極めて神経質になっています。「ローンを多く抱えているお客様に高いリスクを取らせるのは良くないので、各自の負債比率に関する質問も加えた方がいい」、「あれも必要だ、これも必要だ」という感じで、お客様に対する質問が、ほぼ毎年のように追加されます。しかもお客様が口座をお持ちの金融機関が、それぞれ独自の質問を追加・変更することも多々あり、その度に質問票を日本語に翻訳してpdfのフォームを作成する、という作業を行わなければならず、本当に大変です。

お客様にとっても「こんなことまで答えなくちゃならないのか?」というお気持ちになられることがあるでしょうし、申し訳なく思っています。とは言え、質問票でお伺いする事項は全て規制において必要な情報のみですし、ご返答いただいた質問票のお陰で、お客様の資産状況の全体像が見えるようになり、より的確なアドバイスができるようになるのも事実です。

「でも毎年、質問を追加するのは、そろそろ勘弁してほしいなぁ」と思いながら、今月もまた新しいバージョンの質問票を作成したところです。